幻覚

泣き顔でスマイル擦り切れてシャイン踊るならレイン

 

 

好きという言葉が軽くなった。そのくせに「ポケモンが好きだったころのあの気持ちを忘れたくないよね」と同期と話した。あのころの、胸が焦げるくらいの好きはだんだんなくなって、夏の日差しが月の光に変わるくらいに穏やかになった。子供のころ好きだったものを話しているときだけみんな子供に戻る。瞳に夏の日差しが戻ってくる。今は自分の瞼に月がある。おかげで眠れない夜が減った。

昼の海より夜の海に行きたいと思うようになったから、もう大人なのかな。

昼の喧騒より夜の穏やかさに惹かれるようになった。今は白より黒が好きで、ミニスカよりロンスカが好き。ミルクよりビター。

みんな苦しい夜を迎えてる。いろんな思いをしてる。人も街も少しずつ変わってゆく。変わってほしくないものまで巻き込んで。風には逆らえず、波にも逆らえず大人になる。

このブログをやっていたこと、大学の友達、大好きだった曲、数学の公式、英単語、付き合っていた人、もう会えなくなってしまった人、着なくなった服、恨んでいたこと、よくわかんないけど全部が過去になるのが怖いなって。今は全部今がいい。今を今として生きたい。ずっとこんなことを思って、思い続けて、夏