幻覚

泣き顔でスマイル擦り切れてシャイン踊るならレイン

1月最後の月は赤かった。もう0時を過ぎたから、過去の話だ。月がきれいだからなんだというのだ。月がきれいでもそうじゃなくてもずっとつらいまま。言えない言葉ばかりがインターネットの中で増えてゆく。行き場のないあいうえお。ABCだって書けるけど、そういう、ノートの中の無意味な走り書きみたいに毎日をなんとなくやり過ごしている。思春期の自分のほうがよっぽど素直だった、と思う。よく覚えていないけど。

出来事を覚えるよりに先に毎日が過ぎていってしまう。なんとか続いている数行ずつの日記は異国から届く手紙のように、いつも数日更新が遅れている。画面の中の華奢な体が全身で歌っている。「ゆるやかな坂道に消える君を見つめていた」…

わたしの耳によく馴染んだ曲たちは昼よりも夜中のほうがよく似合っている。

昼よりは夜が好き。あしたもがんばる。